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早くも第4弾、今回は「持病編」です。CRF125Fには何らの持病もありません。とにかく頑丈、どんなに派手に崖落ちしようと壊れやしません。持病を持つのは、ライダーの方です。
ステップアップという呪縛=持病
CRF125Fに乗っていると、そろそろステップアップしたいなぁという思考が出てきます。多くの人たちの考えていることは、「このバイクの特性のままでもう少しパワーが出るようになったようなバイク欲しいな」という極めてワガママな考えです。僕もそう思うし、悩み続けます。夜毎他社のバイクのウェブを繰り返し見たりします。なのですが、結論から言うと僕の知る限り、日本で普通に手に入る範囲でこの条件を「全て」満たすバイクは存在しないと思っています。
なぜCRF125Fを選んだのか
どうしてCRF125Fに乗ろうと思ったのか。
- フルサイズの車格では自分には扱えないと思った
- フルパワーなバイクはとてもじゃないが使いこなせないと思った
- 優しいバイクでオフロード走行に慣れたい
- 僕も私もドワーフ族だ
- かわいいバイクの方がいいじゃないか
- メンテナンスするの面倒だしできるだけやりたくない
- HONDAかっけーよ
などなど色々な理由でCRF125Fを選ぶわけですが、そこに立ち戻ってみると次の選択肢を考えるのは非常に難しいのがわかると思います。そもそも、「CRF125Fだから全てを使い切って乗れるようになった」なんてそう簡単にはならないと思うんですよね。あいつ、なかなかなんでもできますよ。
いつもご一緒しているみなさんの中には「CRF125Fで行けない坂もセクションもSHIRAIにはほぼない」と言い切る方もいて、確かにその人が乗ると全てが猛烈にスムーズに動いていくんです。(もちろんその本格派筆頭はフルサイズでもめっちゃ上手いんですが)
なにか実家のしきたりか、持って生まれた宿命でフルサイズで全日本に出なければならない業を背負っている、のであれば別ですが、普通に今乗っているCRF125Fで楽しいということを再度何度でも思い出したいところです。
「その後」の選択肢とは
それでももし乗り換えをするということであれば、よくある方向性と機種をあげてみようと思います。以下は全く個人的な感想であり、どれもしっかりと時間をかけて乗ったことがあるわけではありません。全くもってどの車両もディスるつもりは全くありません。流れとして、単なる持病の発作として乗り換える先ではないよということで読んでもらえたらと思います。
YZ125X
僕も私もケンジさんのようなサンダーサウンド=蝉音を出して坂を駆け上ってみたい。YZ125Xはその価格も相まって特に若い方がたくさん乗ってるバイクです。跨らせていただいたりすると、乗車ポジションだとどうしようもなく車高が高すぎるということもなく、問題ならフロントフォークを突き出したりリンクで下げたり、シートをぺったんこにしたり、あるいはサス屋さんにお願いしてサスそのもので下げたりと工夫の方法はあります。
モトクロッサーであるYZ125の兄弟車であり、引き出されたパワーがかなりのものなのは、先日行われた2024全日本ハードエンデューロ選手権R-2CROSS MISSION KEGON HARD ENDUROでも最上位クラスのインターナショナルクラスで完走しているライダーがいることでもわかります。
乗っている人が多いのでノウハウも多く、アフターパーツも豊富なのでとても良い選択肢だと思います。CRF125Fからの移行において大きく違うのは:
- フルサイズの車格
- セルがない
- 低速トルクに頼るのではなく、カチ回して走る2stの乗り方
というところです。2stという時点で全くの別物と考えた方がいいですが、セルがないのがかなり厳しいところに感じます。ですが、先ほどのインターナショナルクラス完走ライダーは1年ほどしっかりCRF125Fでバイクの扱いを練習されてからYZ125Xにステップアップされて、見事な結果を出されています。俺の龍はこれなんだ、という人はとても多いです。でも、全く違うバイクなんだと理解しましょう。
KX112
僕も気づいたらこのページを見てしまっているという、持病の中の咳き込みくらいの頻度で気になるやつです。YZ125Xみたいなやつに乗ってみたいが、いうてもフルサイズの車格は自分には厳しい、じゃあこれならどうだ、ってなもんでCRF125Fの次に買われるバイクとしても多くの方が選択されてます。
その結果として悩まれている方が多いのも事実です。なんせCRF125FはHonda Sesing搭載(嘘)のバイク任せでどんどん前に進んでくれる頼もしいやつなんですが、KX112はツンデレもいいところで「正しく操作しないなら1mmも前に進まないわよ」とばかりに突き放してくるらしいです。
ただ、それだけにうまく乗りこなせた時の喜びが大きいバイクでもあるんだと思います。僕がこれを買いそうになった時には全力で止められましたが、何しろ車体もかっこいいし、しかもちょっと値段が上がったとはいえ税込みで473,000円、50万きってるスーパーミニです。そりゃ気になりますよね。YZ85などの小排気量に比べて余裕もあるみたいです。
基本はYZ125Xの特性と似てるんだと思いますが、それ以外のポイントとして:
- 水冷でラジエターがある
- 2stなので混合オイルの準備の必要がある
などがあります。ラジエターがある以上ラジる(ラジエター圧壊)の可能性は常にあります。世の中から失くなる前にどうしても2stサウンドをこの手で絞り出したいんだよぅ!という人にはオススメしたいです。
Beta X-Trainer 250/300
すでにそのイメージもないかと思いますが、僕は2台クロトレを乗り継いでいます。生涯これでいいんじゃないかと思っていたバイクです。ライダーも多いですし、仲間内でたくさんノウハウがあるようなバイクですね。Betaさん(というかワイズさん)は会社メーカーの中でも部品配送は爆速だし、たくさん在庫もしてくれているので安心して破壊、じゃなかった乗り続けることができるのもありがたいです。
「これはアレですね、2stなのに4stっすね」というあまりにも有名なセリフの通り、2stなのに4stっぽい、いつまでも低回転でデロデロとトルクが出続けるような特性があります。
そしてセルがあります。キュルボン。乗り初めの私はセルを使いまくってよくバッテリーアウトしたりしてましたが、普通の人が乗ればそんなこともないはず。250でもびっくりするほどパワーがあり、300だと3割り増しくらいに感じるくらいでした。
というフルサイズ2ストロークな訳なんですが、私にはどうしてもでかく、かつクロトレほどのパワーが必要になる局面はなかったと思われます。(少なくともその時点では)もちろん低速でパワーがあるところを生かして走ればいいわけですけども、僕にとってはクロトレに乗っていた時よりもCRF125Fに乗り始めてからの方が奥まで進んでいくことができるようになったし、疲労度もまるで違いました。
いまだに試乗会なんかでちょっと乗ると、あぁこれこれこの安心感、という感じでいい感じのパワー感だし、もしかしてまた将来乗るかもと思ってしまいますね。でも私の場合は、その前にCRFでバイクを扱うことや乗った状態でアクションすること自体をもっと練習しようと思っています。
4st エンデュランサー
YZ250FXやCRF250RXといった4stエンデュランサー。BetaやKTMにもありますよね。4st/FI/セルありというような感じでそのまま大きくなって欲しいと思うとこの辺りも脳裏によぎります。
決定的に違うのは、まー重いですよね。排気量も色々ありますが、250くらいだと結構簡単にパスっと止まってしまったりすることも多いみたいです。試乗した感じでも国産勢はそんな感じがしました。BetaのRR4Tなんかだとこういうのがほとんどなくて、350辺りだと股下でデカいものがグワングワン動いているような感覚も少ないんですが、やはりあれを谷側に倒してしまった時に絶望感を想像すると厳しいなと思います。(巨人族は別)
でもやっぱり4stでぶっとい排気音でグイグイ坂を登っていくのとか見るとかっこいいなと思いますよね。2stとは違ったかっこよさがあります。欲しくなっちゃうよね。これが車体80%になったサイズで出ないかなって思っちゃうんだよな。
TT-R125LWE
結構真面目な話、CRF125Fからのアップグレードで極めて現実的なのはTT-R125なんじゃないかとは思います。車体もサスも、もうちょっとだけCRFよりいい感じになってるし、多少大柄な人でも乗れる余裕があります。アフターパーツも多いですよね。
でもキャブです。それが色々いじりたい人、セッティングを変えたい人にはとてもいいと思います。山で倒せばガソリンは漏れますし、セッティング間違えればおかしなことになりますが。何より、今現在CRFで次TT-RなんだったらCRFのままで良くね?と個人的には思います。Yamahaっぽくてかっこいいけどね。
Sur-ron Light Bee X / Ultra Bee
随分変わってしまうけれど、もしかしたら特性とか気軽さが似てて乗り換えるとしたら候補になるのかもと思うのが電動です。どちらもめっちゃ軽くて、車重はバッテリーを足してもCRFより軽いです。Sur-ronは日本に来てからも結構時間が経っているので、NAGMOTORSさんとかjon it.さんのようにノウハウを蓄積しているショップも増えてきてますよね。僕も一回しっかり試乗してみたいなと思います。お値段はそれなりにしますけど、エンジン車とはまた違った面白さがありそうです。
エンジン車のCRFですが、メンテナンスは以前書いたように最低限で済むので電動のメンテナンスフリーというところのアドバンテージはちょっと薄いかなと思います。クラッチないという構造は好みが分かれるところになりそうです。Light BeeでもUltra Beeでも、タイヤの選択肢を広げるためにはホイール交換はしたくなるのかな。
個人的にはシュイーンという音しかしないのはミライな感じはするけど、ちょっと寂しいなとは思ってしまいます。
トライアル
もう思い切ってトライアルとかどうですか!僕も実はトライアル車持ってて、こっそりレッスン出たりしています。びっくりするほど軽い車体にハイパワーなエンジン。別にトライアル競技的な乗り方でなくっても山遊びでもトライアルは楽しいです。トライアルで覚えた操作の仕方とかはやっぱりエンデューロにも生きてくる(私はすぐに忘れてしまいますが)ので、食わず嫌いにならずに一度やってみるといいですよ。
僕の仲間の一人はCRFに結構長く乗ってたんですが、その後BetaのEvoに乗り換えて「ミニモトの上位互換はフルサイズのレーサーじゃなくてトライアル車だと思う」って言ってました。僕も納得できるところがあります。
僕がメインで乗りに行ってるオフロードパークSHIRAIは本来はトライアル場で、もちろんトライアルの先輩方がたくさんいます。興味があったらレンタルもできるのでちょっと乗ってみると面白いんじゃないかと思いますよ。
この持病には特効薬はないが、CRFに長く乗るほど納得感は出てくる
結局、人間は迷います。んでもって、なんか別のバイクも欲しくなります。なんだろね、この感情は。底なしだよね。
アズマ個人としてはそんな持病を抱えつつもしばらくCRF一本で頑張っていって、主要なHEDレースの初級クラスくらいは制覇できるようになっていきたいと思っています。40代後半で初めてなかなか上達せず、特にずば抜けた体力もセンスもなく、ただオフロード乗ってるのが好きだというだけのオッサンでもそれくらいまではできるよ、というのをCRF125Fと証明したいと思っています。
1年以上乗ってみると、乗れば乗るほど納得感がありますし、できることも前に比べれば増えてきました。僕には僕なりの目標があって、そろそろ留年してるSHIRAI-Xも卒業したいですし、自分で決めた目標や方向性に沿ってCRFと達成できたら、自然と次を考えたりこのまま乗りたいと思ったりするんだろうなと想像しつつ、この持病とも付き合っていきたいなと思っております。
というよな持病の話でした。次はなんだろう、めっちゃ簡単なメンテナンスの話かな。